映像による刷り込み・冷や汗はほとばしるのか?

ものを知らないクリエーター

最初この車内広告を見たとき「あ〜あ、また若い、ものを知らないクリエーターが間違いを犯してるなあ」と、ただ苦々しく思いました。
その広告はこちら
※そのうち更新削除されますので、消えてたらごめんなさい

その広告のコピーは「浮かばない英語。ほとばしる冷や汗。」とあり、写真はビジネスマン(ウーマン編もあり)の顔のアップで、ハイスピードシャッターで捉えたように、周辺を細かい汗の飛沫が飛び散っている、というもの。中年以上の人ならば、これは無知なコピーライターが犯したミス、と断定するでしょう。

ただ、いくらなんでも

この広告物が世に出るまでには、広告会社(代理店)も広告主も、多くの人の目をくぐっているはずだから、何か意図があるか、もしかしたら僕の感覚が普通じゃないのかもと疑って、少し冷静に考えてみることにしました。

「冷や汗って、経験はあるけど、実際に流れている汗(粒)を見た人はいないよな?」

「だいたい、やはり冷や汗は流れるのではなく、滲みでるような感覚だし。」

「じゃあ、一般に僕らオヤジがもっている『冷や汗はタラーっと流れる』とか『ツツーっと伝わる』というイメージは、いったいどこから来たんだ?」

はたと気づいた。

そうだよ、タラーっとか、ツツーっていうのは、僕らがこれまで目にしてきた漫画やイラストがそう描いていたからじゃないのか?チビまるこちゃんとかサザエさんとか?(ほんとに冷や汗のシーンがあったかどうかは知らない)

つまり、僕らの世代以前の漫画やアニメの世界では、冷や汗は静かに流れるものだったものが、もしかしたら今の若者の世界では「ドバーっと」飛び散るものとして描かれているのではないか!!という仮説をたててネットを検索してみましたよ、ハイ。

そして結論としては、あまり明確に断言できるほどではありませんが、たしかに最近の漫画やアニメの主人公が焦っているときにかく汗は、だいたい盛大に溢れ出ていることがわかりました。

なんで、こんなつまんないこと考察してるんだ、と思うかもしれませんが、これが映像制作する人間、とくにシナリオを書く人間にとってはとても大切なデータベースになるんです。

 

視聴者のある記憶や印象を呼び覚ますための記号

簡単に言えば、ある1カットの絵が意味する事柄、意味が一定の相関で一義的に定義できるということは、その1カットの絵は、視聴者のある記憶や印象を呼び覚ますための記号として使えるということなのです(「映像が利用する記号」参照)。僕らはそれを「呪文」とも呼びます。これを唱えれば、あら不思議、欲しいものが手に入ってしまうんですよ。ってやつ。

企業PR映像や商品プロモーション動画でも、シナリオにこうした記号を使うと、かなり見応えのある作品になります。映像のワンシーン、ワンシーンが、記憶や経験、時には匂いや空気と結びついて、見る人の感情を揺さぶるからです。

 

時代とともに変化していく記号

ところで、今回のことが示すように、この映像制作が利用する記号というのは、時代とともに変化していくことを忘れてしまうと、僕らはけっこうやばいです。「この頭の硬い爺いが!」とか「このオヤジ、変!」と言われないように、絶えず興味と疑問を持ち続け、好奇心を滾らせて生きていかないとね!

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